今回の記事は作者:山口貴由『劇光仮面』第1巻を読んだので、この漫画について思ったことやネタバレ含めた感想を書いています。
※この漫画のネタバレ含んでます。これから読む方はご注意してください。
『劇光仮面』1巻 あらすじ
あらすじ・内容
これは星をつなぐ者たちの物語である。
僕は何者でもない。僕は器に過ぎない。――それこそが僕の強さだ。
そんな想いを胸に秘め、29歳の青年、実相寺二矢はアルバイトで日々を暮らす。
舞台は「現代」、テーマは「特撮」、主人公は“何者にもあらず”!?!?
『シグルイ』『覚悟のススメ』の鬼才、完全新境地の最新作!
我々は山口貴由の本当の才能をまだ知らなかった。
感想・考察
主人公は特撮好きのアルバイト。
この漫画の主人公はアルバイトの実相寺二矢(じっそうじおとや)。実相寺は大学時代のサークルの特撮美術研究会(特美研)の部長、切通昌則(きりどおしあきのり)が亡くなったことで、実相寺は切通の葬式に主席したことで、かつての特美研のメンバーたちと再会します。
この漫画の主人公の実相寺は、結構変わった人物でして、再開するメンバーとの会話を朝の身支度の時に考えてたり、スーツを着るためにガリガリになるまで鍛えていたりと、主人公にしては変わった主人公なんですね。作中でも特撮の知識や特撮に対する想いは本物でした。
実際に読んでいて、実相寺はどこか変わっていて、「この主人公はいったい何者?」って思いました。話は現実のある話でしたが、実相寺の正体が気になりますね。
劇光服ゼノパドンを弔うために劇光服を切る。
実相寺はゼノパドンを弔うために劇光服を切ることになります。特美研のメンバーはサークルで使った劇光服を着て、切通の遺言の「ゼノパドンを裁断して欲しい」を聞き、実相寺と特美研のメンバーは実相寺の自宅にて裁断の準備し、その実相寺はミカドヴェヒターの劇光服を着て、切通の劇光服「ゼノパドン」を裁断します。
切通の劇光服「ゼノパドン」は特美研のメンバーの思い出の劇光服で、実相寺が大学時代の時に”新歓”で切通がゼノパドンの劇光服を着て特美研の募集をしていたことからふたりの出会いでした。
作中、切通が特美研のメンバーを探していた時も「ただ特撮が好きだ」「特撮を少し見ている」というスーツに群がる新入生がいたんですけど、切通はそんなのには目をくれず、本当に特撮が好き、特撮に熱意がある”同士”を探していました。そんな”特撮バカ”が実相寺でした。
実相寺は一年浪人していて、歳の近かったふたりは特撮を愛する同士になります。
劇光服も作り込みが凄くスーツを着る時も洗濯ができないし、固定しなければ装着できないという品物。特撮のスーツにしてはかなり気合いの入ったスーツです。劇光服に特美研の思い出であるからこそ切通は、1番特撮の思いが強かった実相寺に切ってもらいたかったかもしれませんね。
でも洗濯できないから劇光服を着る前に体を消毒するのは
分かるけど女性に体拭かせる実相寺は正直、「わーお」と思いました笑
特美研メンバーの大学時代。
大学時代の話。食堂にてお昼を摂る実相寺。実相寺が食事を摂っているとオムライスを持った切通が現れます。食堂にて実相寺はタケフミとヨウから30年前の特撮マガジン「夢宙船」掲載された「覆面ヴァイパー」の怪人を作った狭山章のコメントを見せられます。
その狭山章のコメントが”怪人全般に向けたメッセージ”でその真意が気になった特美研メンバーは切通と実相寺を代表にし、狭山章がいる自宅に行くことになります。
ここの話で造形家の狭山章と会うのですが、狭山は戦争を経験した人物で狭山が手掛けた特撮スーツは戦争時に着ていたある○○からモデルに作ったと作中にありました。
これは結構衝撃的でした。
なによりも“下水道に潜む改造兵士シャゴラス”のモデルが悲しすぎました。読んでいて、戦争はあってはならない。と思いました。
もしかしたら、日本の特撮もそういったところから
モデルにしている節があるのかもしれませんね。
こういった背景があるから後々特撮作品に代々受け継がれているのかもしれませんね。
まとめ:『劇光仮面』1巻 感想
以上、『劇光仮面』1巻 感想でした。
どこか読んでいて、メッセージ性のある作品だと感じました。作品を通して特撮とはなんなのか?その熱意、終戦後の背景、主人公の特撮への想いなどが詰まってました。
登場人物を通して、普段見ている特撮へのまた違った視点で楽しめるのが、面白かったですね。ビックコミックが大人向けの雑誌だけあってやっぱりちょっとエ◯かった笑
この漫画は特撮が好きな人は好きかもしれませんね。
主人公の正体も気になりました!
